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巨匠ネスティコの新譜「On the Sammy Side of the Street」を考える.Vo.3      チャプリンの自作名曲「 Smile」

サミーネスティコの新譜を考えるシリーズの第3弾『Smaile』です。

しかし、この曲本当に綺麗な曲です。
奇をてらわないメロディーの構成、シンプルな心にしみる歌詞の内容。

この曲は1936年チャールズ・チャップリンの映画『モダンタイムス
の挿入歌である。のち、1954年にジョン・ターナーとジェフリー・パーソンズ
が歌詞とタイトルを加え、同年ナットキングコールにより歌われる。

メロディも良いが、ついている詩があまりに心にしみるので、
のせておきます。

『Smaile』
微笑んで、たとえ君の心が痛んでも

微笑んで、たとえ破れても

空に雲が立ち込めても

君ならきっと切り抜けられるから

恐れる事も悲しい事も乗り越え、微笑むなら

微笑んで、そしてたぶん明日には

君のために輝いてくれる太陽を見るだろう

訪れる喜びに君の顔を輝かせて

どんな悲しみの跡も見せずにいよう

たとえ今すぐにも涙しそうだとしても

そんな時にこそがんばり続けて

微笑んで、泣いたってどうにもならない

人生にはまだ生きる価値があることを君はわかるはず

もしも微笑もうと思うなら

微笑んで。


1936年と言う時代は、第二次世界大戦前。
チャップリンは『モダンタイムス』『独裁者』という名作を生むが
その事が「容共主義(共産的)」ととられ、赤狩りの対象となり
1952年から20年間アメリカから追放される事になる。
彼がアメリカに戻ったのは、1972年、アカデミー賞授賞式に出席するため
である。彼もまた戦争の影響を大きく受けた人だったのである。

この曰く付きの名作を巨匠ネスティコは、ストリングによるイントロとライト感覚な
ジャズアンサンブルで仕上げている。

テーマはフルート、フリュゲルホーン、トロンボン。
ここでもフルートが多用されている。
近年の編曲は木管楽器の多用が特に多い。
このレコーディングはサックス奏者の持ち替えだが、
フルートがことのほか巧い。 とくにダン・ヒギンズはオーケストラの
主席とも引けを取らない。

ソロはTP〜Saxダン・ヒギンズにわたり最後はチェレスタのメロディで
静かに終わる。

巨匠ネスティコは映画音楽の仕事も数多くこなしてきた経験から
このようなムービーに於ける編曲も絶妙の冴えをみせる。

近年の名アレンジの一つになるだろう。
484px-Chaplin_The_Kid.jpg

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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

新譜「On the Sammy Side of the Street」を考える.2               1965年映画音楽の名曲「The Shadow of Your Smile」

サミーネスティコの新譜を考えるシリーズ、第2回目は
映画音楽として名高い「The Shadow of Your Smile」を考える。

邦題は「いそしぎ」。
曲は数限りなく聞いた覚えはあるが、よく考えると「いそしぎ」?
何のこと?と思い調べてみると、カモメに近い海鳥の事。

映画はエリザベス・テイラーとリチャード・バートン美男美女主演の
男女の出逢いと別れの物語である。
作詞ポール・フランシス・ウェブスター、作曲はジョニー・マンデル。

「The shadow of your smile 」
Barbra Streisand & Johnny Mathis

ジョニー・マンデルは元々トランペット奏者で、カウントベイシー楽団でも
演奏した。(知らなかった)
映画音楽を数々作っているが、この「いそしぎ」が何といっても有名である。
この映画のサントラ版はクインシー・ジョーンズがプロデュースをしている。
(これも知らなかった)

ネスティコ氏はこの名曲を全編アルトサックスのダンヒギンズをフィーチャー
している。 ネスティコ氏はこのソロを聴き泣いたと言うが、本当に心のある
ソロをとる人だ。 
著作権の関係で音源はのせられないが、是非CDを聞いて頂きたい。

ネスティコ氏自身も一番良い音楽テイクと言っているのがこの
トニーベネットが歌ったものである。

Tony Bennett
「The Shadow of Your Smile」 (1966)

アレンジはアルトサックスをフィーチャーし、3本のフルートバスクラリネット
ミュート奏法のTP.TBで独創的なサウンドを作り上げている。
後半ここぞと言う時に、フルパワーの泣きのブラスサウンドが鳴る。
本当にネスティコ氏は盛り上げ方を熟知している。

参加したミュージシャン誰もが、ネスティコ氏はまだ進化しているといい
「次回も是非参加させてくれ」と全員から懇願されたらしい。

2012年の現代にこんなサウンドを作れる人がいる事を嬉しく思う。

新譜「On the Sammy Side of the Street」を考える.1                 1930年の名曲「On the Sanny Side of the Street」

ネスティコ氏の新譜「On the Sammy Side of the Street」では、
全14曲中、9曲のアレンジ、5曲のオリジナルを録音している。

新譜を考えるシリーズの初回は「On the Sanny Side of the Street」
を取り上げる。

アルバムタイトルを見て分かるがタイトルが、趣のあるシャレである。
ネスティコ氏はいつも非常に明るいジョーク好きのアメリカ人である。
今回のアルバムには特にアメリカ人特有のジョークと遊びが隠されている。

"On the Sunny Side of the Street"
(Ted Lewis, 1930)

「On the Sanny Side of the Street」は1930年ブロードウェー・ミュージカル
「 International Revue」 のために書かれた。
作詞はドロシー・フィールズ、作曲はジミー・マクヒュー。
タイトルは「明るい表通りで」となる事が多いが、正確には
「陽のあたる道で」の方が正確である。

歌詞は「お金持ちになれないけれど、表通りを歩いていれば幸せさ」という
簡単なものだが、1930年を考えて見ると、アメリカではニューヨーク、ウォール街
で起きた株の大暴落により有名な世界大恐慌が始まる年である。

のんびりした歌詞と明るいメロディとは裏腹の暗い世相なのである。

この曲のアレンジの元になっているのは、トミードーシー楽団のものである。
スタイルは氏が得意のバンド全体が豪快にスイングするベイシースタイルである。
しかし洗練されたハーモニーの使い方はまさにネスティコ流である。

聞いてみて耳を弾くのはイントロのピッコロ。 最近の氏のアレンジには
木管楽器が多く使われ、こだわりが強い。
ソロはトロンボーン〜アルトサックス〜テナー〜ギター〜ピアノと続く。
特に素晴らしいのは、アルトサックスのダン・ヒギンズ。
こういうリードとソロを撮れるのはネスティコ氏曰く彼だけとの事である。

今回変わった2種類の動画をのせてみる。
暗い世相と反対のほのぼのとした明るい曲調が何とも不思議である。

振り返ってみると、2012年の閉塞的な世相と1930年がそっくりなのは
気のせいか。

Rod Stewart
On theSunny Side Of The Street         

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新譜「On the Sammy Side of the Street」を考える

昨年12月に発売された新譜「On the Sammy Side of the Street」
についてふれてみたい。

この新譜、一口で言うとアメリカンエッセンスふんだんのアルバム
と言える。 ネスティコ氏曰く20年代から50年代のアメリカである。
この時代は良くも悪くもアメリカが輝いていた時代。

当然、ジャズは猛烈なスピードで進化を続けていた時代で
彼自身が書いたライナーノートにその事がふれてある。
以下ライナーノートの訳である。
                               
音楽について』
これ迄の私のCD は、主にオリジナル曲に加え数曲のスタンダード曲から
なっています。今回のCD制作に当たり、昔からのスタンダード曲をハーモニー
で装いを新たにしてみても面白いかなと考えました。「Bye Bye Blues」
「On the Sanny Side of the Street」「Rose Room」等はそのシンプル
さゆえに光るものがあり、私が大変好ましく思うものですが、
あなた方現代の若者にはなじみのないものと思うので、是非聴いて知って
欲しいのです。

これらの曲のシンプルな優雅さは、メロディ、ハーモニーと向き合うのに好都合で、
単なるリズムの繰り返しや、形のないイメージとは異なるものです。

私に取ってメロディは常に”王様”の様に最も大切にしてきた要素です。

録音に際して、スタジオで初見の13曲(70分)をわずか10時間で仕上げた
オーケストラの技量に感嘆せずにはいられません。このキラ星の様なミュージシャン
の一人一人の秀逸な才能と、その場に臨んだ私の望外の喜びは必ず聴き手に伝わる
ことと思います。

幼い頃より聞き育った曲を、敬愛するミュージシャンに囲まれ録音したこのCDは、
いわば私にとってのビックバンドのルーツを描く一枚の絵の様なものです。
                             サミーネスティコ


この赤字の部分である。
ここはネスティコ氏の若者への遺言と言うべきところで、氏がどれほど
メロディーを大切にしてきたかが垣間見られる。

今年のジャズマンスイン旭川2012で再び「サミーネスティコ」
を取り上げるにあたり新譜の曲を次回から少しずつ解説してみたい。

Writing 3

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Author:yoshi.jazz
旭川市を中心に活動する音楽家&プロデューサー

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